この時期になると、行政協力として「税務相談会」の担当が割当られます。
昨日がその担当の日だったのですが、この相談会へ行くといつも色々考えさせられます。
私が担当するのは、事務所所在地である京都市中京区ですが、そのなかでも昨日は、職人の方が多い地域でした。
何の職人かといいますと、京都の伝統産業である「着物」に携わる方々です。
申告書には「悉皆業」「染色補正業」「紋章業」等、普段は接することのない業種が記載されています。
衰退する一方の着物産業とともに、受注、売上、所得とも年々減少していく業種です。
その申告書を拝見すると、事業はもちろん、生活の大変さまでも窺い知れます。
ほぼ全員の方が中高年者で、その職人であるご主人を支えるために、奥さんがパートに行き家計を支えるようなケースが大半です。
過去に「途中で転職や転業を考えられなかったのですか?」と職人の妻である相談者に聞いたら「この道しか知らんし、今さら、
おとうさんにそんなことさせられへん…」と仰っていました。
かつて、着物が産業として成り立ちっていたとき、職人は、職人であればそれでよかったのです。
戦略なんて言葉もなく・・・・
しかし、一旦経済環境が大きく変化したときには、なすすべもない無力な存在だったのです。
このことを単に「自己責任」という言葉で問う気にはとてもなれません。
私にできることは、ただ祈ることだけです。
「格差」ということが問題になっているようですが、そのような言葉で表現できるものではありません。
これから事業を始める。または、今の事業を続けていかれる方は、環境の変化に耐えられる力をつけていただきたいと願います。
ここ数年、経営に関しては、色々なノウハウや考え方が出回っています。
多くの経営者及びその予備軍がそれらをどんどん取り入れています。
今や職人であっても、サラリーマンであっても経営的な意識や知識を持つことを要求されています。
この傾向は、今後も進むことでしょう。 |